ネガティブとは
ネガティブって、何でしょう?
ポジティブ(楽観的)の反対ととらえると
ネガティブ=悲観的となりますよね。
その他に消極的だったり物事を比較的悪い方向に考えることなんかがあるんじゃないでしょうか?
感情とか考え方行動に関して、一般的にポジティブが良い、ネガティブは悪いという風潮がありますが、それは本当でしょうか?
この考え方には、私はちょっと疑問を感じます。
精神科病棟で看護師をしていたころ、入院していた患者さんのほとんどが自分のネガティブな感情(思考)を「出してはいけない」「変えなくてはいけない」と悩んでいました。なので、その感情を抑えるために薬を飲んで調整しなければならない状況でした。
ネガティブな感情を抑えるとどうなるのか
過去の私は「ネガティブな感情を出すどころか持っていてもいけない。」
と考えていました。
聖人君子のように清らかな心を持っていなくてはならない。
全ての人にやさしく、「嫌い」なんて言ってはいけないし傷つけるような言葉を言ってはいけない。意地悪をされても怒ってはいけないし悲しくて泣いてはいけない、まして人を憎んだり蔑んだりしてはいけない。そう強く思ってました。
そうやって、自分の感情にたくさんの制限をかけていても、周りはすぐ怒る人や傷つくようなことを平気でいう人、身勝手な人が沢山いて「なんで自分ばっかり」そう思うようになりました。そうすると周りに対して腹が立ってきて、投げやりな気持ちになったり、そんな自分をまた責めるようになりました。
人によっては、ポジティブになれない自分を責めたり罪悪感を感じたりして、生きることが辛くなったり抑うつ状態になったりして今度は体にも影響が出てきます。
ネガティブさは誰にでもある
そもそもなんですが、ネガティブって誰にでもあることじゃないですか?
例えば自分を含め、周りの人をよ~く観察してみてください。
どんな人にもいいところと悪いところがあるのと同じで、目には見えなくても表に出なくてもネガティブな感情を持っています。学校の先生だって、政治家だって資産家や芸能人など、人格者と言われる人たちだってみんなネガティブな感情を持っています。
で、逆にネガティブな感情って、人から見ると可愛く見えたり面白かったりしませんか?
ネガティブな思考が強みになることもたくさんありますよ。話をしていてネガティブな発想が人の役に立つ時もあります。今ある便利な日用品などはほとんどが「こんなの嫌だ」とか「使いづらい」とかいう声から生まれてきてますよ。
覚えていて欲しいのは、ネガティブな感情って人間として普通に持ち合わせている感情で、決して特別ではないってことです。そして、同じ一人の人でもその時の状況や体調(女の人であれば生理も)年齢などにも影響されやすく、同じことが起こってもポジティブにとらえることもできればネガティブになる時もあります
ネガティブ思考はどうやって生まれるのか
ところで、ネガティブな思考はどうして生まれるのでしょうか。
私は、ネガティブな人がどんな時でも全てネガティブな状態かというとそうではないと思います。場合によってはポジティブになれる時もある。
ネガティブに考えてしまうかどうかは、その人の心の癖によります。
これは人それぞれ本当に違うので、本当にカウンセリングしてみないと分かりませんが、多くの場合は「嫌われるのではないか」「捨てられるのではないか」という思いを根強く持っていることが多いです。
まぁ、今の学校教育がそうですしね。
みんなで仲良くしないといけません。我慢しましょう。出来るまで頑張りましょう ちゃんとしましょう。 できなければ罰があります。出来ないのは努力してないからです
なぁ~んて教育を小さい時から受けているので、そうできないとダメな人だと思われるし、学校で浮いちゃいますもんね。ちょっと外れていると「変な子」って言うレッテルを貼られちゃう。ちゃんとしてないと世間から見捨てられちゃうよって脅されてるようなもんです。怖いですよね。
学校だけでなく、社会全体がそういう雰囲気にあるのは確かだと思います。
ここを個別に掘り下げたいときはカウンセリングをお勧めします。
ネガティブでもいい
でも、ネガティブな思考は誰にでもあります。無理に抑えなくてもいいです。
ネガティブな思考はネガティブなままにしておけばいいのです。
世間でどういわれようが、心の中だけは自由です。人の心は誰にも支配することはできません。自分の自由にしていいんです。
たとえ、誰かを嫌いだと思ってもその気持ちを否定しなくてもいいんです。否定したくなるのは世間に合わせようとしているからです。だけど心の中まで合わせなくていい。
それはずるい事だと思いますか?
私は最初そう思ってました。でも、心の中で思っているだけなら誰も傷つけません。だから自分の気持ちを自分だけは大切にして欲しいんです。
「ネガティブでもいい」言葉に出して言ってみてください。
ポジティブになれなくても、人は其々がそのままでいいんです。
自分が思うほど人は自分の事を気にしてはいません。
ただ、ネガティブな感情は例外なく不快なものですよねぇ。そんな時はその感情に思いっきりハマり込んでみましょう。とことんネガティブになってみましょう。そんな事じゃダメって自分を制限せずに、とことん落ち込んでみるといいと思います。
またはそれを口に出して言ってしまいましょう。誰かに聞いてもらうのも良し、ノートに書きなぐるのも良し。何でもいいので吐き出すことが大切です。
ネガティブな自分を否定しないでください。(肯定もしなくていい)
ただネガティブさを持っている自分を自覚してみてください。