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死に方

突然の電話

私の父親は、一人で生活をしている。
その父がお世話になっているケアマネさんから、
先日突然電話があった。

父は83歳で、高血圧などの既往がある。
今まではそういった病気を抱えながらも
なんとか一人で生活が出来ていたが、
とうとうそれも限界が来たかな?
と思った。

ケアマネさんは、
父が娘の私に連絡をすることを頑なに拒否していたのだが、
どうしても伝えておかなければならない
と前置きをして
父の現状について話しだした。

納得のいく「死」を迎えたい父と医療者側が抱える責任

11月半ばから急に視力の低下があり、
色々検査した結果、
脳下垂体に腫瘍が出来ていて
視神経を圧迫していると分かった。
このままでは失明は免れないので、
手術をして腫瘍を取り除くか、
放射線での治療をするか
どちらかの治療法をした方が良いと
父に勧めたらしいのだが、
父はこれを頑なに拒否したのだと言う。

医療者側としては「何もしないではいられない」
ケアマネさんは、
「お父さんは娘さん(私のこと)への病状の説明を
頑なに拒否されていますが、
こちら(ケアマネさんや担当する福祉、医療関係者)としては
黙っている訳にもいかず
こうして急にお電話をしました。
次いで医師から病状説明を受けるという事を
娘さん(私)に許可して頂きたいんです。」
と言う。

もちろん私としては
許可するも何も
聞いておきたい事ではあったので
即「OK」しました。
ケアマネさんは本当に助かったと安堵したように
「ありがとうございます」と言って電話を切った。

その後2~3日して、
父の担当という脳外科の医師から
電話があった。
そして、
父の年齢や既往歴、
腫瘍の大きさと位置などから考えて
開頭手術による腫瘍摘出には
かなりのリスクが伴うという事と、
放射線により腫瘍を焼き切る治療についても
視神経を傷つける可能性が高く
どちらにしても視力が元に戻ることは無く、
生活に支障をきたすことは免れないという事だった。

担当医は、体への侵襲がより少ない
放射線療法を勧めているとのことだったが、
父はそれも拒否しているという。
「残り少ない余生ならば、
もう、そんな治療はしたくない」
そう父は言ったそうです。

医療現場で見てきた「生」と「死」

私は
「父親らしいな」と思ったのと同時に
父には
自分の納得する「死」
迎えて欲しいと強く思った。

私は10月から
派遣で看護師の仕事を再開している。
病院ではなく老健施設を選んでいる。
比較的ゆっくりした環境で
仕事ができるので
今の私にとっては
働きやすい条件だからだ。

時折、病院での仕事も受けることはあるが、
張り詰めた状況で仕事をするのは
とても緊張するし、神神経がすり減って
帰ってから何もできなくなるので
なるべくそういった事が少ない現場を選んでいます。

でも今、そういった施設に入所していたり、
病院で入院生活をしている高齢者を間近に見ていて
「自分が人生を終える時には
その環境や状況を自分で選びたい」と
強く思います。

下手に延命治療をされて、
食事もできない、
話すこともできない、
動けないなどの状況で
生き続けなければいけない状況は
絶対に嫌だ。

口から食べれなくなっても、胃瘻は絶対作らない。
呼吸が出来なくなっても、人工呼吸器は使わない。
延命治療はしない。

最低限これだけは日ごろから子どもに伝えるようにしている。

本人の意思を尊重する覚悟

私は父の思いを尊重しようと思う。

そう、担当医師に伝えました。
父が私には伝えたくないというのなら、
私は最期まで知らないふりをし続ける。
もし、失明して
一人での生活が出来なくなっても
父親がどうしたいかを優先させてほしい。
もし、父が
私の手助けがいると意思表示をしたら、
私は迷うことなく助けに行く。
それまでは
父が生きたいようにさせて欲しい
お願いした。

担当医師は
「分かりました。
あらゆる福祉を使ってサポートする手配をします」
と言ってくれた。

私はホッとした。

今、医療はとても発達していて
色んな事が出来るようにはなってきているけど、
それらを選ぶための知識が
あまりにも一般の人たちには浸透していない。
一命を取り留めたとしても、
その後の生活にどんな状況が待っているのかを
考える余裕もない。

実際、
命の危険が迫っている切迫した状況の下では、
本人の意思を確認できない事が多いし、
家族の同意だけで
延命治療を勧めることは普通にある。

医療側としても、
今使える治療をしないまま
命が消えるの
を黙って見守るわけにはいかない。

「助けられる命を見過ごした」事になるから。

何の知識も無いまま、
訳も分からず
命の選択を
家族が引き受けなければならない状況が、
悲しいけど現状だ。

一命を取り留めた結果
厳しい話だけど
介護が必要になり、
経済的にも精神的にも
生活が圧迫されるという事も
頻繁にある。

国からの補助や使える福祉サービスも
正直十分ではない。

父は、最後まで「自分らしく」在ろうとしている。
そう思う。

もしかしたら、
娘に弱みを見せられないとか、
気を遣って言えないとか
そんな事もあるだろうけど、
それも含めて
父が覚悟を決めて選んだ道を
全力で見守りたいと思う。

私にできる範囲でサポートし続けよう。

そして、
私自身もいつか迎える
「死に方」について、
しっかり考えて行こうと思う。

それに基づいて行動した結果は、
きっと私の子どもには伝わるだろうと信じて。

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